男子代表選手:堀之内洋平(関西国際大学)


写真手前  さよならパーティーにて

 平成17年3月27日に神戸市で行われた日本代表選考会で、私たち関西国際大学男子チームが優勝した。そこで、日本代表選手に選ばれ、ベルギーで行われる 「キンボール・ワールドカップ」に出場することが決まった。 過去の国際大会はというと、日本は第1回、第2回ともに2位の成績をおさめ、 圧倒的な強さでカナダが1位になっている。私たちは、2位以下になってはいけない、過去より順位を落としてはいけないというプレッシャーがあった。

 代表メンバーによる強化合宿も行い、代表メンバーOBの方々が指導してくれた。練習内容は、強豪カナダのディフェンス崩しがメインだ。過去カナダと戦ったこと のあるOBの話によると、今の日本のヒット力では、絶対にカナダのディフェンス を崩すことができないと言っていた。

 ワールドカップの予選では、1回戦、2回戦ともに、フランスに逆転負けをした。日本は予選を3位で通過した。 大会最終日、決勝戦でカナダ、フランスと戦った。決勝戦は15分の3ピリオドマッチで、 1ピリオド目終了時点でカナダと並んだ。私は勝てるかもと思ったが、2ピリオド目、3ピリオド目になると、点数はみるみるはなされた。

 実際にカナダと戦ってみると、日本のヒットは、本当に通用しない。日本人のパ ワーではまったくカナダ人には勝てないのだ。そもそも、日本人と外国人との体つきがまったく違った。そこで私たちは、個人プレーではなく、全員プレーとスピード力でカナダのディフェンスを崩すことにした。これは練習のときから何回もしてきたことで、いくつかのヒットが鮮やかに決まった。が、それだけではけして勝てなかった。  

 私は世界のキンボールを見て、1回りも2回りも大きくなれた。しかしそれだけではない。ヨーロッパに行ったことにより、私の世界観が大きく変わった。言葉が通じなくても、ジェスチャーで伝わる。初めて知り合った外国人でも、同じキンボーラーなら全然怖くない。大会後のパーティーでは、全部の国が1つになれた。 私は今まで、とても小さな人間だと痛感し、世界はもっと大きいと思った。日本だけにとどまってはいけない。日本だけで満足してはいけない。街にしても建物に関しても、日本との規模がまったく違う。世界はデカイ!世界はもっと広い!私は今回の大会で、すばらしい経験をした。この思いは大人になっても忘れないし、これからの人生、誇りをもって生きていきたいと思う。